たくましい体を手に入れるためには、やみくもにトレーニングするだけではダメ!
筋肉をつけるためには、さまざまな要素を意識することが大切です。
今回は、筋肉をつけるために意識したい3つの柱と、それらに関わる10つの栄養素についてご紹介します。
今回の記事を参考にしていただき、トレーニングの効率アップを図りましょう!
筋肉をつけるための3つの柱
筋肉を効率よくつけるためには、以下の3つの柱が重要なカギを握ります。
1.テストステロン
2.アミノ酸
3.血流
早速、それぞれの項目について詳しく解説していきましょう!
1.テストステロン
テストステロンとは男性ホルモンの一種で、たくましい体を作るためには欠かせない物質です。
読者の方の中にも、思春期を迎えた頃に体ががっしりしたり、ひげが生えるといった変化を感じた方もいるかと思います。
思春期における男性特有の体の変化には、体内でのテストステロン量の増加が関係しており、それほどテストステロンは男性の筋肉や骨の成長にとって重要な役割を持っているのです。
しかし、体内でのテストステロンの分泌量は、20代~30代をピークにその後は徐々に減少していくことが分かっています。
さらに、睡眠や運動不足といった生活習慣の乱れもテストステロンの分泌量に大きく影響します。
筋肉を効率よくつけるためには、生活習慣を整えたり、サプリメントを服用したりすることで、体内のテストステロン量を適切に維持することが大切なのです。
2.アミノ酸
アミノ酸は、筋肉の元となるタンパク質を構成している栄養素。
大きく分けると、体内で作ることの出来ない『必須アミノ酸』と体内で生成できる『非必須アミノ酸』の2種類に分けられます。
トレーニングをしている方なら、「EAA」や「BCAA」といった必須アミノ酸のサプリメントを聞いたことはありませんか?
「必須アミノ酸のサプリメントがあるなら、それだけ服用すればいいじゃん!」
中にはそう考える方もいるかもしれませんが、これは大きな間違い!
非必須アミノ酸は体内で生成できる栄養素ですが、原料となる物質が不足してしまうとうまく生成できなくなり、非必須アミノ酸が不足する恐れがあります。
筋肉のためには、必須アミノ酸だけに特化するのでは無く、非必須アミノ酸もバランスよく摂取するようにしましょう。
3.血流
トレーニング後は、筋肉にだるさを感じたり、筋肉痛が発生しますよね。
これは、筋肉に疲労物質である乳酸が溜まることによって生じる現象だと言われています。
筋肉の疲労回復のためには、血流を良くすることが大切。
血液がスムーズに流れることで、筋肉に溜まった疲労物質が排出されやすくなり、回復が早まることが期待できます。
さらに、食事などで取り込んだ栄養素を体中にいきわたらせるのも血流の重要な役割です。
血流を改善して、筋トレのパフォーマンスアップにつなげましょう。
トレーニングのパフォーマンスアップに重要な栄養素10選
続いては、筋トレに大切な3つの柱それぞれに関係する栄養素を柱別にご紹介します。
テストステロンに関係する栄養素
テストステロンに関係する栄養素は以下の通りです。
・マグネシウム
・ビタミンD
・亜鉛
・コレステロール
早速、それぞれの栄養素について詳しくご紹介しましょう。
1.マグネシウム
マグネシウムは必須ミネラルの1つで、人間の体に欠かせない栄養素です。
ある研究では、マグネシウムを摂取することで体内のテストステロン量が増加につながったことが報告されています。
マグネシウムは大麦や雑穀などに多く含まれており、こういった食品を頻繁に食べていた戦前の日本人はマグネシウム不足になることはありませんでした。
しかし、食文化が変化した現代では雑穀などを食べる機会が減ったため、日々の食事だけではマグネシウム摂取量が不足しがちになっています。
以下の食品を積極的に摂取することで、マグネシウム不足を防ぎましょう。
・わかめ
・ひじき
・ごま
・アーモンド など
2.ビタミンD
ビタミンDは、別名「サンシャインビタミン」とも呼ばれ、人間が日光に当たることによって体内で生成されます。
ビタミンDについても、最近の研究でテストステロン量増加に影響を与えることが示唆されています。
基本的に毎日屋外へ出て日光に当たっている方は不足することはありませんが、1日中屋内にいて日に当たる機会が無い方は、休日に散歩に出かけるなど積極的に外に出ることを意識しましょう。
また、ビタミンDは魚類などに豊富に含まれている栄養素です。
外に出かける機会が少ないときには、これらの食品を食事に取り入れることもおすすめです。
・しらす干し
・いくら
・しゃけ
・卵
・豚レバー など
参考:Effect of vitamin D supplementation on testosterone levels in men
3.亜鉛
亜鉛は、日頃からトレーニングに励んでいる方であればよく知っている成分ではないでしょうか?
亜鉛の摂取が体内でのテストステロン量増加に影響することを報告した研究結果もあり、実際多くのトレーニング系サプリメントには亜鉛が含まれています。
亜鉛はマグネシウム同様に現代の食生活では不足しがちな栄養素なので、積極的な摂取を心がけましょう。
・牡蠣
・牛赤身肉
・豚レバー
・卵
・納豆 など
参考:Zinc status and serum testosterone levels of healthy adults
4.コレステロール
コレステロールは、人間の体にもともと存在している脂質の一つです。
コレステロールと聞くと、何となく体に良くないものというイメージを持ちませんか?
しかし、実はコレステロールはテストステロンの原料になる人間の体に欠かせない栄養素の1つなんです。
さらに、コレステロールには『善玉コレステロール』と『悪玉コレステロール』の2種類があり、善玉コレステロールには体内の余分な脂質を回収する働きがあります。
現代人の食事には脂っこいものも多く、脂質を過剰摂取しがち。
余分な脂質を減らすためにも、善玉コレステロールの増加につながる食材を積極的に摂取しましょう。
特に、鯖やイワシといった青魚に多く含まれるEPAやDHAなどの成分には、善玉コレステロールを増やす働きがありますよ。
また、有酸素運動も善玉コレステロールを増やすのに効果的といわれています。
ランニングやウォーキングなど、ご自身の体に合った有酸素運動を生活に取り入れてみてくださいね。
必須アミノ酸と非必須アミノ酸
続いては、アミノ酸を『必須アミノ酸』と『非必須アミノ酸』に分けてご紹介します。
4.必須アミノ酸
必須アミノ酸は、別名EAAとも呼ばれ、その名のついたサプリメントも多く発売されるほどトレーニングには欠かせない栄養素です。
・メチオニン
・リジン
・フェニルアラニン
・スレオニン
・ヒスチジン
・トリプトファン
・バリン
・イソロイシン
・ロイシン
これらの必須アミノ酸は体内で作り出すことができないため、食事やサプリメントなどから積極的に摂取しましょう。
必須アミノ酸の中には、筋肉の原料となるアミノ酸だけでなく、筋肉の合成を促すアミノ酸も含まれています。
例えば、ロイシンは体内で代謝される過程でHMBと呼ばれる成分に変化します。
筋肉の合成を促進するほか、筋肉の分解を抑える働きのあるHMBは、トレーニングをする人にとって非常に重要な栄養素なのです。
必須アミノ酸は、タンパク質が豊富な食材に多く含まれています。
赤身のお肉やとりむね肉、卵や乳製品といった食品を意識して摂取するようにしましょう。
5.非必須アミノ酸
必須アミノ酸に対し、非必須アミノ酸は体内で作り出すことができる栄養素です。
・グリシン
・アラニン
・セリン
・チロシン
・システイン
・アスパラギン
・グルタミン
・プロリン
・アスパラギン酸
・グルタミン酸
・アルギニン
非必須アミノ酸も筋肉の原料となるだけでなく、さまざまな効果が期待できる栄養素です。
例えばアスパラギン酸に関する研究の中には、アスパラギン酸を摂取することで体内のテストステロン量が増加することを報告したものもあります。
さらに、アルギニンには体内での成長ホルモン分泌を促す効果があるため、トレーニング後の疲労回復を早める効果も期待できます。
非必須アミノ酸は、必須アミノ酸同様に魚や肉類、大豆といったタンパク質が豊富な食材から摂取することができます。
また、グルタミン酸は海藻類に多く含まれているため、わかめや昆布といった海藻類を食事に取り入れるのもおすすめですよ。
参考:D-Aspartate, a Key Element for the Improvement of Sperm Quality
血流に関係する栄養素
最後に血流に関係する栄養素をご紹介します。
血流は血液が活性酸素によって酸化することで滞ってしまうといわれています。
そのため、基本的に血流に重要な栄養素はどれも抗酸化の効果を持つものです。
・ポリフェノール
・クエン酸
・EPA
・ビタミンC・E
・アルギン酸
早速、それぞれの栄養素について詳しくご紹介しましょう。
6.ポリフェノール
ポリフェノールは、非常に優れた抗酸化作用を持つ栄養素です。
血液の酸化を防ぐことで血液をサラサラの状態に保つことができるため、ポリフェノールには血流改善の効果が期待できます。
・赤ワイン
・緑茶
・紅茶
・コーヒー
・チョコレート など
特に、緑茶やコーヒーといった飲み物に多く含まれているため、普段から飲んでいる飲み物を変えるだけでも、ポリフェノールを積極的に摂取できますよ。
7.クエン酸
強い抗酸化作用を持つクエン酸にも、血液をサラサラにする効果があります。
クエン酸は酸味をもつことが特徴で、梅干しやレモンなどの柑橘類といった酸っぱい食材に多く含まれています。
さらに、クエン酸には疲労物質である乳酸を分解する働きもあります。
疲労に直接効果をもたらしますので、トレーニングをした日などはぜひ積極的に摂取したい栄養素です。
8.EPA
先程もご紹介したように、青魚に含まれるEPAには善玉コレステロールを増やす働きがあります。
善玉コレステロールは血中の余分な脂肪を回収する役割を持つため、適切に摂取することで血液がサラサラに!
テストステロンの原料となるだけでなく血流改善の効果もあるEPAは、トレーニングに励む人々にとって必要不可欠な栄養素です。
・サバ
・サンマ
・ブリ
・イワシ など
9.ビタミンC・E
ビタミンC・Eは基本的な栄養素でありながら、非常に高い抗酸化作用を持っています。
・アーモンド
・ドライトマト
・ヘーゼルナッツ
・ツナ缶 など
・アセロラ
・ゆず
・れもん
・ピーマン
・ブロッコリー
最近では、コンビニでもこれらの栄養素が含まれたスムージーなどで販売されているため、忙しい毎日でも比較的手軽に摂取しやすい栄養素です。
10.アルギン酸
アルギン酸とは、もずくなどの海藻に含まれているヌメヌメした成分で、余分なコレステロールを体外に排出する効果があるとされています。
トレーニングのためにタンパク質が豊富な食事を取っていると、自然と脂質の摂取量が増えてしまう場合も。
コレステロールはテストステロンの原料となる物質ではありますが、過剰に摂取することは逆に体に悪影響を与えてしまいます。
高タンパクな食事を取っている方は、一緒にアルギン酸を取ることを意識しましょう。
そうすることで、余分なコレステロールが体外へ排出され、サラサラな血液を保つことができますよ。
・昆布
・わかめ
・ひじき
・もずく
トレーニングは食事から!栄養素を積極的に摂取して、理想の肉体を手に入れよう
今回は、筋肉をつけるために重要な3つの柱と、それらに関係する10つの栄養素についてご紹介しました。
筋肉のためにはプロテインだけ飲めばOKと考えている方もいるかもしれませんが、今回紹介したように、筋肉の強化にはさまざまな栄養素の働きが影響しています。
筋肉へ関係する栄養素を普段の食事に取り入れることで、トレーニングのさらなる効率アップにつなげることができますよ。
食事だけでは栄養を補い切れないという方は、サプリメントを服用することもおすすめです。
しかし最も大切なのは、毎日三食栄養バランスの取れた食事を取ること。
サプリメントだけで栄養を補うのではなく、日々の食事をサポートする存在としてサプリメントを活用してください。
食事からすでにトレーニングは始まっています!
理想の体に近づくために、ぜひ栄養素を積極的に摂取しましょう!